住宅ローン固定と変動どっちが正解?|月1.8万円差を初心者向けに試算
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住宅ローン固定と変動どっちが正解?|月1.8万円差を初心者向けに試算

住宅ローンの固定か変動かで迷ったら、「金利が上がっても返済を続けられる家計かどうか」で決めるのが基本とされています。返済額の増加に対応できる余力があり総返済額を抑えたい人は変動金利、毎月の返済額を確定させて安心したい人は固定金利が有力な候補です。

たとえば3,000万円を35年返済で借りる場合、変動0.5%と全期間固定1.8%(いずれも説明用の仮定値)では、毎月の返済額に約1.8万円、総返済額に約775万円の差が出ます。ただしこれは「変動金利が上がらなかった場合」の数字で、将来の金利は誰にも確定できません。

この記事では、家計管理やお金の勉強を始めたばかりの方に向けて、まな先生・こころ・すいの3人の会話を交えながら、迷う原因の整理、自分に合うタイプの見分け方、契約前に行う試算の手順、金利上昇への備えまでを順番に解説します。

結論:住宅ローンは固定と変動どちらを選ぶべき?

返済額の変動に家計で対応できる人は変動金利、安定を優先したい人は固定金利が向いているとされています。

まず前提として、両者の仕組みの違いを押さえましょう。変動金利型は半年ごとに金利が見直されるタイプで、当初の金利は低い一方、将来の返済額が変わる可能性があります。全期間固定型は完済まで金利が変わらないタイプで、金利は高めですが返済計画を最初に確定できます。

項目変動金利型全期間固定型固定期間選択型
金利水準相対的に低い相対的に高い中間
返済額半年ごとに見直し完済まで確定固定期間中のみ確定
金利上昇リスク借り手が負う金融機関側が負う固定期間終了後に借り手が負う
向いている人貯蓄に余裕があり繰上返済も視野に入る人教育費など支出増が見込まれ安定を優先したい人一定期間だけ返済額を確定したい人
ポイント

変動金利は「安い」のではなく「金利上昇リスクを借り手が引き受ける分だけ低く設定されている」と理解すると、選び方の軸がぶれにくくなります。

なぜ固定か変動かで迷うのか?主な原因を深掘り

迷いの主因は、将来金利が予測できない不確実性と、判断軸を金利の低さだけに置いてしまうことにあります。

原因1:将来の金利は専門家でも読めない

将来の金利は専門家でも正確には予測できません。変動金利は日本銀行の政策金利に、固定金利は長期金利(10年国債利回りなど)に連動する傾向があります。日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に政策金利を引き上げてきました。この流れがどこまで続くかは物価や賃金の動向次第で、確定的なことは言えないとされています。

原因2:判断軸が「金利の低さ」だけになっている

金利の低さだけを比べると常に変動が有利に見えます。しかし本来比べるべきは金利そのものではなく、自分の家計がリスクをどれだけ引き受けられるかです。リスクを取れる家計にとっての正解と、取れない家計にとっての正解は逆になります。判断軸が1つしかないことが堂々巡りの大きな原因です。

原因3:周囲の声と情報が多すぎる

情報が増えるほど判断は難しくなる傾向があります。「みんな変動を選んでいる」という声や金利予想の記事は毎日更新されますが、他人の選択は他人の家計を前提にしたものなので、そのまま自分の答えにはなりません。

補足

SNSや動画の金利予想は、発信者の前提条件(年収・貯蓄・家族構成)が自分と違うことがほとんどです。数字を見たら前提を確認する習慣をつけましょう。

原因別の見分け方:自分はどちらのタイプ?

見分けの軸は貯蓄額・返済負担率・返済期間の3つで、返済負担率25%以下なら変動も選択肢になるとされています。

チェック1:貯蓄の余裕

目安は生活費6か月分と教育などの予定資金です。返済額が増えたときに取り崩せる貯蓄がないと、変動金利の上昇に家計で対応できません。生活費6か月分に満たない場合は、返済額が確定する固定寄りの選択が安心とされています。

チェック2:返済負担率

手取り年収の20〜25%以内が安心圏の目安とされています。計算式は「年間返済額÷手取り年収×100」です。なお、住宅金融支援機構のフラット35の融資基準では総返済負担率の上限は年収400万円未満で30%、400万円以上で35%とされていますが、これは審査上の上限であり安全圏ではない点に注意してください。

チェック3:返済期間と年齢

返済期間が短いほど金利上昇の影響は小さくなります。残り期間が短い人や繰上返済の予定がある人は変動の影響を受けにくく、35年フルで借りて繰上返済の余力もない場合は上昇リスクの影響が大きくなります。

まとめ

貯蓄6か月分以上・返済負担率25%以下・繰上返済の見込みあり、の3つが揃うほど変動向き、揃わないほど固定向きと整理できます。

具体的な解決方法:契約前に行う5つのステップ

自分に合う金利タイプは、試算→リスク確認→家計テストの5ステップで、多くの場合1〜2週間あれば決められます。

  1. 家計の現状を書き出す:手取り月収・毎月の支出・貯蓄額・今後の教育費などを一覧にします。
  2. 変動・固定の両方で試算する:住宅金融支援機構や各銀行の無料シミュレーターで、毎月返済額と総返済額を比較します。
  3. 金利+2%のストレステストをする:変動を選ぶ場合、現在の金利に2%上乗せした返済額でも家計が回るかを確認します。
  4. 商品条件を確認する:5年ルール・125%ルールの有無、団体信用生命保険の内容、事務手数料・保証料を比較します。
  5. 複数の銀行で仮審査を受ける:優遇後の適用金利は審査結果で変わるため、2〜3行を比較してから決めます。

3,000万円・35年・元利均等・ボーナス返済なしの簡易試算(金利は説明用の仮定値)は次の通りです。

シナリオ毎月返済額総返済額
変動0.5%が続いた場合約77,900円約3,271万円
変動0.5%が11年目から2.0%に上昇約77,900円→約93,100円約3,727万円
全期間固定1.8%約96,300円約4,046万円

この試算では、11年目に金利が2.0%へ上がっても総返済額は固定1.8%を下回ります。一方で毎月の返済は約1.5万円増えるため、増えた返済額を払い続けられる家計かどうかが分かれ目になります。

注意

上記は諸費用・団体信用生命保険料・金利優遇の変動を含まない簡易試算です。実際の判断では必ず金融機関の正式な試算を確認してください。

ケース別の対処:家族構成と年収でこう変わる

共働きで貯蓄に余裕がある世帯は変動、教育費が重なる単独収入世帯は固定や併用が候補になるとされています。

ケース1:30代共働き・貯蓄率20%

収入源が2つある世帯は変動が候補になります。片方の収入が減っても返済を続けやすいためです。ただし片方の収入だけでも返済できる借入額に抑えることと、後述する差額貯蓄をセットにすることが条件とされています。

ケース2:片働き・子ども2人(教育費ピーク前)

支出増が確実な世帯は固定の安心感が活きます。高校・大学の教育費と金利上昇が同時に来ると家計を圧迫するためです。全期間固定、または固定と変動を組み合わせるミックスローンが候補になります。

ケース3:40代後半・返済期間20年

期間が短い借入は金利上昇の影響が比較的小さめです。貯蓄や退職金で繰上返済できる見込みがあるなら変動も選択肢に入ります。ただし退職金を返済の前提にしすぎる計画は危険とされているため、余裕資金の範囲で考えましょう。

ポイント

どのケースでも共通するのは、「審査に通る額」ではなく「収入減や不測の支出があっても返せる額」で借りることです。

予防・再発防止のコツ:金利上昇に備える3つの習慣

金利上昇への備えは、毎月の差額を貯める「固定金利差額貯蓄」と年1回の金利チェックの習慣化が有効です。

  1. 固定金利差額貯蓄:変動を選んだら、固定で借りた場合との差額(試算例では月約1.8万円)を毎月別口座に貯めます。10年で約216万円になり、金利上昇時の返済増や繰上返済の原資になります。
  2. 年1回の金利チェック:日本銀行の金融政策決定会合の結果と、借入先から届く適用金利のお知らせを年1回は確認します。上昇が始まってから慌てないための習慣です。
  3. 借り換えの目安を知っておく:一般に「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上」が借り換え検討の目安とされています。事務手数料などの諸費用を含めて総額で比較しましょう。
ポイント

固定金利差額貯蓄は「変動を選びながら固定並みの支出に慣れておく」仕組みです。金利が上がらなければ、そのまま家計の資産になります。

専門家・公的機関の見解はどうなっている?

住宅金融支援機構の2024年度調査では変動型の利用が約7割を占める一方、公的機関は金利上昇への備えを促しています。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2024年度)」によると、新規利用者のうち変動型を選んだ人は約7割にのぼります。低金利が長く続いた期間に、変動の人気が定着した構図です。

一方で、日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後は段階的な利上げ局面に入ったとされています。これを受けて、各銀行の変動金利の基準金利にも見直しの動きが出ています。

金融庁は家計向けの広報の中で、変動金利型を利用する場合は金利上昇により返済額が増える可能性を踏まえ、余裕を持った資金計画を立てるよう呼びかけています(要旨)。

公的機関のメッセージに共通するのは、変動を否定するのではなく「上昇に備えた計画」を求めている点です。多数派の選択とリスクへの備えはセットで考える必要があります。

補足

金利水準や調査データは更新されます。最新の数値は住宅金融支援機構・日本銀行・各金融機関の公式サイトで確認してください。

やってはいけないNG対応

最も避けたいのは、目先の低金利だけで変動を選び、金利上昇時の返済額を一度も試算しないまま契約することです。

  1. 上昇時の試算をせずに契約する:金利+2%のストレステストをしていない契約は、家計の耐久力を確かめずに走り出すのと同じです。
  2. 審査上限まで借りる:審査に通る額は「銀行が貸せる額」であって「無理なく返せる額」ではありません。
  3. 「上がったら固定に切り替えればいい」と考える固定金利は変動より先に上がる傾向があるため、変動の上昇を確認してからでは有利な固定金利は残っていないことが多いとされています。
  4. 5年ルール・125%ルールを「支払い免除」と誤解する:抑えられた利息は消えるのではなく、未払利息として残る場合があります。また、これらのルールを採用していない銀行もあります。
  5. 1つの銀行だけで決める:適用金利や手数料は銀行ごとに差があり、比較しないと数十万円単位で損をする可能性があります。
注意

特に3は初心者が陥りやすい誤解です。「変動が上がってから固定に逃げる」戦略は、固定金利の先行上昇によって成立しないことが多い点に注意してください。

まとめ:迷ったら家計の耐久力で決めよう

迷ったときは、金利の予想ではなく「上がっても払えるか」という家計の耐久力を基準に選ぶのが安全とされています。

  • 変動と固定の差は「どちらが得か」ではなく、金利上昇リスクを誰が引き受けるかの違いです。
  • 貯蓄6か月分以上・返済負担率25%以下・繰上返済の見込み、の3条件が揃うほど変動向きです。
  • 変動を選ぶなら、金利+2%のストレステストと固定金利差額貯蓄を必ずセットにしましょう。

今日からできる行動は、①手取りと支出の書き出し、②無料シミュレーターでの試算、③2〜3行の仮審査の準備、の3つです。

まとめ

金利の予想は外れることがありますが、家計の耐久力に合わせた選択と備えは無駄になりません。試算→選択→差額貯蓄の順に進めましょう。

よくある質問

ここでは、固定と変動の選択で読者から特に多い5つの疑問に、結論を先に示しながら簡潔にお答えします。

Q1. 変動金利を選ぶ人はどのくらいいますか?

住宅金融支援機構の2024年度調査では約7割が変動型です。ただし多数派であることは、自分の家計に合っている根拠にはならないとされています。自分の返済負担率と貯蓄で判断しましょう。

Q2. 5年ルール・125%ルールとは何ですか?

金利が上がっても返済額を5年間据え置き、見直し時も直前の1.25倍までに抑える仕組みです。支払いが免除されるわけではなく、抑えられた利息は未払利息として残る場合があります。採用していない銀行もあるため、契約前の確認が必要です。

Q3. あとから変動を固定に変更できますか?

多くの銀行で可能ですが、変更時点の固定金利が適用されます。固定金利は変動より先に上がる傾向があるため、「上がってから変更」では想定より高い金利になりやすい点に注意してください。

Q4. 頭金なしで借りても大丈夫ですか?

借入額が増えるほど金利上昇の影響も大きくなるため、慎重な判断が必要とされています。少なくとも諸費用の支払いと、生活費6か月分の予備資金は手元に残す計画が一般的です。

Q5. ミックスローン(固定+変動の併用)はありですか?

リスクを分散したい人には選択肢になります。ただし契約が2本になり手数料が増える場合があることと、低金利の恩恵も返済額の安定も中途半端になり得る点は理解しておきましょう。

補足

住宅ローン控除など税制については、国税庁の公式サイトや税務署で最新情報を確認してください。

住宅ローンは金額が大きく、家計への影響が数十年に及ぶ重要な金融判断です。この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品を推奨するものではありません。最終的な判断は、金融機関の正式な試算やファイナンシャルプランナーなど専門家への相談とあわせて行ってください。

最終確認日:2026年7月19日

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